定型的な問い合わせの対応に時間を割かれていた
当社では、社内施設やPC、携帯などに関する問い合わせに対応するために、社内コールセンターを設置しています。すべてのお問い合わせをオペレーターが対応していましたが、定型的な問い合わせが多くあり、その対応に多くの時間を割かれていました。そのため慢性的に人手が不足しており、受電率が低下しているのが課題でした。定型的な対応を自動化することで、オペレーターが対応すべき問い合わせに集中できると考え、ボイスボットの導入を検討しました。
認識率が高く、外部連携による拡張性も評価
ボイスボットを検討する中、ウェビナーで「AmiVoice ISR Studio」の存在を知りました。実際にトライアルしたところ、認識精度が良く、利用シーンに合わせて簡単にシナリオを自社で作成することができました。また、用途ごとに用意されたエンジンや単語登録機能など、認識精度をさらに向上させる機能が多数備わっている点も評価し、導入を決定しました。外部連携機能が備わっており、外部システムとの連携による柔軟な電話応対の実現が期待できたことも導入理由の一つです。
問い合わせの20%以上を自動化し、24/365の対応も実現
社内向けコールセンターで「AmiVoice ISR Studio」を活用したところ、問い合わせの20%以上にあたる定型的な応対を自動化することができました。そのため、オペレーター対応が必要な問い合わせに集中することができ、業務効率化と受電率の向上を実現しています。また、SMS送信機能やメール通知機能も活用することで、利用者に迅速に情報を提供することもできています。自動応対が可能な問い合わせについては、24時間365日対応ができるのもメリットだと感じています。
利用者としては、FAQを探したりすることなく電話による問い合わせができるため、手間が減ったとの声が上がっています。
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ボイスボットと生成AIを連携
2024年10月より、生成AIとRAG(生成AIに外部情報の検索を組み合わせることで、回答精度を向上させる技術のこと)を組み合わせ、さらに自動化の割合を増やす取り組みを進めています。現在自動化できているのは、不審なメールを受信した際の問い合わせや、エラー対応に関する問い合わせなど一部です。生成AIとRAGを連携することで、よくある質問への対応も可能になり、約40%の問い合わせを自動化できると考えています。
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人との自然な会話のような自動応対の実現へ
現在のボイスボットは、IVRのように固定のシナリオに従う形式で、人との自然な会話のようにはいきません。生成AIとボイスボットを組み合わせることで、人と会話しているような自然な自動応対ができると考えています。
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)は、システムインテグレーター(SIer)として、企業のIT課題を解決するためのソリューションを提供しています。
今回の取り組みにより、問い合わせの20%以上を自動化し、応対品質の向上と業務効率化を実現しました。これらの成果を基に、当社のお客様にも同様のソリューションを提案し、課題解決に貢献していきます。
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データ・ストラテジーグループ 山縣 尚史 様