DX推進の一環として内覧会でSIPを活用
野村不動産の住宅事業本部では現場の作業負荷軽減・業務効率化を目的にDXを推進しており、その一環として2022年から内覧会の電子化に取り組みはじめました。
数ある施工管理システムの中から、高い音声認識精度や当社の内覧会に対応可能なカスタマイズ性の高さ、当社マンションの施工会社での利用実績がある点を評価し、「AmiVoice スーパーインスペクションプラットフォーム(以下、SIP)」を選定しました。
カスタマイズについては通常の仕上げ検査向けのSIPをベースに、当社の内覧シートフォーマットへの対応、署名機能の実装などをお願いしました。
音声入力で人為的な記録ミスを解消。協力会社の仕分け作業も半自動化
現在、当社の新築分譲マンションシリーズ「プラウド」の内覧会でSIPを利用しています。
従来、内覧会において壁・床のキズや汚れ、設備の不具合などが見つかった場合、購入者からの指摘事項を担当者が1つひとつ手書きで記録していました。紙で内覧シートを管理していたため、購入者からの指摘内容を協力会社にスムーズに共有することが難しく、管理も煩雑で、デジタル化が急務でした。
SIP導入後は、専門用語などを含む指摘事項も音声入力でスムーズに入力できるようになり、記載漏れや誤記などの人為的ミスが解消されました。また、指摘事項ごとに該当する協力会社が自動で入力されるため、仕分け作業が効率化され、施工会社の業務削減にもつながっていると感じます。
内覧状況をいつでもどこでも確認可能。スムーズな顧客対応を実現
iPad上の図面に登録した指摘事項や該当箇所の写真は、クラウドでリアルタイムに共有できます。購入者からの指摘内容や質問事項をタイムリーに把握でき、的確かつ迅速に手直し指示を出せるようになりました。紙での内覧会で感じていた、内覧状況がすぐに把握できないもどかしさが解消され、もはやSIPなしでの内覧会は考えられないという声も挙がっています。
キズや汚れなどの指摘があった場合に、短時間で手直しを完了させられるようになったことで確認会の参加率を低減できました。購入者に何度もご足労いただく必要がなくなり、スムーズな顧客対応が可能になりました。
また遠方にお住まいの購入者の場合、手直し後、写真での確認を希望されることがあります。従来は、写真確認用に画素数を上げた写真を施工会社に別途撮影いただく必要がありました。今回のカスタマイズで写真確認用のフォーマットをSIPに組み込んでいただいたため、施工会社が手直し後に撮影した写真を、そのまま購入者への確認に利用でき、施工会社の作業負荷軽減および迅速な対応による顧客満足度の向上につながっています。
社員がリモートでも内覧会状況を把握でき、働き方を改善
指摘事項や写真の管理をデジタル化したことで、当社メンバーが本社や自宅でリモートワークをしていても内覧会状況の確認ができるようになりました。図面や指摘事項、指摘箇所の写真など、必要な情報をクラウドで共有しながら会話できるため、現場にいる施工会社とのやりとりに齟齬が生じることもありません。
内覧だけでなく、幅広い活用も検討中
デジタル化したことで社内記録はペーパーレス化が進み、アフターサービス部門へのデータ共有は簡易になりました。現在、内覧直前のお部屋の検査や内覧後の指摘内容の完了検査にも利用を広げています。
今後は、社内の他部署や各支店での利用を積極的に推進していきたいと考えています。
ご担当者様
営業推進部 CS推進課
新野 代志子 様