2024年問題への対策として導入
大成ユーレックは、1963年に大成建設の住宅部門から分離独立し、PC工法(壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造)のパイオニアとしての技術力を活かした集合住宅の企画・設計・施工、リニューアル工事の企画・設計・施工などを行っています。
4年前(2020年)に、2024年問題への対策として作業所勤務者の負担軽減を目的とした「作業所支援室」を発足しました。業務改善に寄与するサービスを探す中で「AmiVoice スーパーインスペクションプラットフォーム(以下、SIP)」の存在を知り、既に当社のいくつかの現場での利用実績もあったことから本格導入を決定しました。
協力会社の自動仕分け機能で検査後の作業時間が3分の1に
以前は紙の帳票(ダメ帳)を部屋ごとにプリントアウトし、指摘事項を手書きで記入していました。検査終了後、ダメ帳を事務所に持ち帰り、指摘内容の確認や協力会社の仕分け作業を行うため、残業の要因となっていました。
SIPを利用した場合、指摘事項を入力すると同時に該当の業者が自動入力されるため、検査をしながら協力会社の仕分け作業ができるようになりました。事務所に戻ってからは、部屋ごとに分かれた指摘事項登録済みのPDFをプリントアウトもしくはメールで協力会社へ共有するだけで良くなり、検査終了後の作業時間が3分の1程度まで短縮できました。
ご利用実績のある物件 JKK東京「カーメスト桜新町」(2024年4月竣工)
指摘事項の区分指定機能や音声入力の精度も高評価
協力会社の自動仕分け機能以外に、指摘事項に「共通」「検討」などの区分を設定できる点も便利に感じています。例えば、全部屋共通で扉に傷があったときに、指摘事項として「扉、傷」と入力し、区分を「共通」に設定すると、タグ付けのような形で各部屋に指摘事項が紐づきます。全部屋共通の指摘事項のみを一覧で確認することもでき、非常に便利です。「検討」という区分を付けた場合も同様に、検討事項を一覧で確認することができます。
また音声入力の精度も高く、専門用語もスムーズに認識してくれます。マイクを使うとさらに精度が上がるため、マイクの使用を推奨しています。
検査員派遣サービスの併用で検査の品質が向上
SIPと併せて、検査員をアドバンスト・メディアから派遣いただく「建物品質検査サービス」も利用しています。
現場によって、検査の人員が足りないときに不足分を派遣いただくケースと、指摘事項の入力を全てお願いするケースがあります。入力を全てお任せした場合、当社スタッフは検査に集中できるため、検査の品質向上・スピードアップにつながっています。
利用の促進や他検査への活用も検討
現場からは「SIPなし(の検査)は考えられない」という声も挙がっています。慣れ親しんだ紙の帳票の方が良いという方もいますが、SIPの便利さや検査後の業務がいかに楽になるかを周知し、利用の浸透を図っていきたいです。
SIPはとてもシンプルな操作性で、PC操作などに不慣れな方でも30分~1時間程度で操作に慣れることができます。初めてでも非常に使いやすい印象なので、今後は配筋検査など、下地の検査にもSIPを活用していきたいと考えています。