タブレット端末を用いた検査の効率化への取り組み
2000年代前半よりタブレット端末を利用した検査システムの導入を行っていましたが、当時の端末は現在とは違いタブレットを持ちながら検査するには重く、またデータ入力した際の反応速度もあまり良くありませんでした。
その後、タブレット端末が進化し、軽量化、高速化、さらに高機能となってきたため、あらためて検査システムの導入検討を行うことにしました。
検査後の協力会社の仕分け作業が残業の要因に
仕上げ検査を行う中で特に負担となっていたのが、協力会社の仕分け作業です。
検査時に記入した指摘事項を、手直しを依頼する協力会社ごとに分類しリスト化していくのですが、手書きなため誤字脱字や読み取れないことも多々ありました。また、曖昧な表現があった場合、現地へ確認に行く手間も発生していました。日中は検査にかかりきりで、協力会社の仕分け作業は夕方以降に着手することになり、残業の要因となっていたため効率化が急務でした。
協力会社の仕分けにかかる時間を約90%短縮し、残業時間を削減
お取引のあるデベロッパーから「AmiVoice スーパーインスペクションプラットフォーム(以下、SIP)」をご紹介いただいたのが導入のきっかけです。他社のアプリと比べてシンプルな画面設計で非常に分かりやすく、初めて触るスタッフでも半日くらいで操作に慣れることができます。
話すだけで良いので手書きより速く入力できますし、指摘事項に合わせて協力会社を自動的に振り分けてくれるため、以前よりもはるかに楽です。導入後は検査にかかる時間が最大50%短縮されました。
また、協力会社ごとに指摘事項を分けて一覧で出力できるため、検査後の仕分け作業にかかる時間は約90%減少し、残業の削減にもつながっています。
約8割の作業所でSIPを活用。作業所の規模に関わらず有効と評価
現在はマンションの仕上げ検査を中心に、首都圏、関西・東海圏を中心とした約8割の作業所でSIPを活用しています。当社では、さまざまなツールを用いて労働問題の解決や効率化に取り組んでいますが、作業所の規模の大小に関わらず非常に有効なツールだと感じています。
取材協力
建設部門 第二施工統括部 上席専任所長 田谷 清壹 様 |
建設部門 建設IT推進部 部長 中村 誠治 様