指摘事項の記録と検査後の仕分け作業が負担
風越建設は、神奈川県を中心に集合住宅や公共建造物の企画・設計・建築・リノベーション、土木工事など、幅広い実績を持つ総合建設会社です。
建物の完成前には傷や汚れ、不具合の有無を確認する仕上げ検査を実施しますが、従来は紙の帳票に手書きで指摘事項を記入しており、非常に時間がかかるうえ、記録ミスが発生することもありました。
また、現場での検査終了後に、それぞれの指摘事項を該当する業者に仕分けて是正指示を行う「仕分け作業」が大きな業務負荷となっており、残業の原因でもありました。
指摘箇所の「協力会社自動振り分け機能」が導入の決め手
数年前、共同事業を行った大手総合建設会社が利用しているのを見て、建設検査向け音声認識サービスの存在を知りました。当社でも活用できないか検討していたところ、建設業界向けの新聞で「AmiVoice スーパーインスペクションプラットフォーム(以下、SIP)」の記事を見つけ、問い合わせました。
導入前にトライアルを行い、入力作業の効率化はもちろん、「協力会社自動仕分け機能」が特に魅力的だと感じ導入を決定しました。例えば、指摘事項として「壁、クロス、キズ」と記録した場合、協力会社欄にクロス工事会社が自動的に入力されるので、業者を選択する手間を省け、検査後の仕分け作業も自動化できて非常に便利です。
SIPの扱いに長けた検査員派遣サービスも利用
現在は社内検査と施主検査でSIPを活用しており、アプリケーションの操作に慣れた人材を検査員としてアドバンスト・メディアから派遣してもらう「建物品質検査サービス」も併用しています。
検査員が指摘事項の記録を担ってくれるため、当社社員は指摘に専念することができるようになり、記録要員分の社員数も削減できました。また従来は、社員が現場で記録した指摘事項リストを事務所で別の社員が確認し、場合によっては再度現場に戻って指摘箇所を確認する手間が発生していました。導入後は、派遣いただく検査員に社員が同行することで確認作業を同時に実施できるようになり、現場の負担が大きく軽減されています。
検査に必要な人員が半数以下に。仕分け作業による残業も解消
具体的な効果として、6~7人で行っていた検査を半分以下の人員で実施できるようになりました。また、従来1日に実施できる検査は4~5部屋でしたが、今では1日6~7部屋の検査ができるようになっています。
検査終了後の仕分け作業が自動化されたことで残業もほとんどなくなり、非常に効率的です。指摘事項の入力が正しく行われていれば、業者の自動仕分けの精度も申し分ありません。
内覧会での活用も検討
当社では分譲マンションの建設も行っており、内覧会で建物品質検査サービスを利用しています。社内検査のときから来ていた検査員が対応してくださるため、安心感があり、要望を伝えるとすぐに改善してもらえるので非常にスムーズです。
今後は検査員の派遣だけではなく、内覧会用のアプリケーションとしてSIPを利用できないか検討していきたいと考えています。